「先輩からのアドバイス」

自転車旅 Day 19 Part 2

早く食べ物にありつきたかった。
辺りはもう真っ暗だ。
できれば、お店に入って美味いビールと共に、肉か魚が食べたかった。
しばらく走ると、やっとお店がちらほらでてきた。
しかし、こういう田舎で「当たり」を探すのは至難の技だ。
今日は美味いものが食べたいのだ!
何件か見て回ったが、中々入りたい店はなかった。
すると、角を曲がった後で、大きなスーパーが見えてきた。
そうだ、もう今日はスーパーで好きなもの買い込んで、その辺で食べよう。
と、お店でのナイスな食事を諦め、作戦変更。
いざ、スーパーの中を歩くと、おー!
いろんなお惣菜があるではないか!
美味そう!しかもタイムセールときた!
ラッキー!作戦成功だ!
そして、あれもこれも、おはぎまで買い込み、バックに入らないので、手に3段重ねぐらいで抱えて出ていった。
「う、ちょっと恥ずかしい」
思いがけず、可愛いらしい女性と入口ですれ違った。
なんせ僕のカッコは、もう夜で冷えてきたというのに、まだ半袖短パンにサンダル姿、顔は陽に焼け皮が剥けてきていて、疲れで眼は淀み、おまけに尻と脚が痛くてヘンテコな歩き方だ。
これじゃ乞○だと思われただろうな。

えーい!そんな事言ってられっか!
飯だ!飯にしよう!
スーパーの入口横、めっちゃ蛍光灯で照らされてるベンチに堂々と座り、買ってきたお惣菜を全て並べた。
(本当はそこしか座るとこがなかった)
「あー、俺の心は人に乞○と思われたくない、という枠の中にいるんだなぁ」
とか思いつつも、ビールはちょっと控えめに足元に置いた。
(どうか店員さんが出てきて追っぱらいませんように)
ガツガツと、しばらく至福の時間を味わっていると、自転車に乗りながらビールを飲んでいるおじさんが、こちらに近寄ってきているのに気がついた。
話しかけられたくなかったので、そっぽ向いて食べていたら、案の定、「どっから来た?」と話しかけてきた。
それからしばらく、おじさんの語りを聞くことになってしまった。
そして、話しの合間に必ず、僕が食べているものを指差し、「それいくらだった?」と聞いてくる。5品ぐらい並べていたのだが、一回には全て聞いてこない。話しの合間、合間に一個づつ聞いてくる。
最終的には全てのおかずと、自転車の値段まで聞かれたのだが、おじさん曰く、今ぐらいの時間だと、もう一軒のスーパーの方が安くてオススメらしい。
どっからどう見ても常連だ。
その後、今日の寝床を聞かれたので、適当に答えたら、まだ結構な距離があるので、丁寧に道のアドバイスをしてくれた。
先輩曰く、そこを真っ直ぐ行って大通りに出たら左、そうすると旧道に出て、少し遠回りになるが、比較的空いてる、とかなんとか。
真っ直ぐ行って右に曲がれば新道。こっちは混んでるけど近い。他にも色々と教えてくれた。

「ありがとうございます!」
先輩に丁寧に挨拶をし、お別れのハグをした。(これは嘘だ)
そして、真っ直ぐ行って大通りに出る前に脇道を抜け、先輩のアドバイスにない国道124号線で海沿いに出た。


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