自転車旅 Day 16

生鮮食品店「ぶっちゃけ」
新潟の道の駅「うみてらす名立」に着き、地場産のカニだの魚だのを見ていると、魚を切り分けていたおじさんが威勢よく「箸と醤油もつくよ!」と声をかけてくれた。
暫く見て回り、結局何も買わずに出ようとした時、すぅ〜と生臭さい匂いを鼻がキャッチした。
その匂いは、なんというか魚だけじゃなくって、それこそ、貝とか蟹とか、ワカメとか、それを置いてる氷とか容れ物が混ざったような匂いなんだけど、何処の店も同じようで、ちょっと違うような気もする。
その匂いと共に、ある記憶が蘇った。
なんてことない日常の風景だった。
小さい頃、実家のすぐ近くに「ぶっちゃけ」という生鮮食品店があったのを思い出した。
僕がたしか、小学校高学年になる頃には閉店してしまっていた気がするから、記憶はそれ以前のものだろう。
僕は、どの魚を買うか見比べている母の後ろをついてまわり、子供用の魚肉ソーセージなんかを手に取って、勝手に母の持つ買い物カゴに入れている。
そうだ、あの時の匂いだ!
思い出していたら、何だかカレーの匂いもしてきた。

とにかく、「ぶっちゃけ」は、家から目と鼻の先程近かったので、かなり頻繁に母と行っていたはず。
買い物袋を持つのを手伝ったりしながら、母と連なりお店から家へ歩いて帰ったっけ。
30年程忘れられていた記憶。
心温まるような懐かしさと同時に、「時間は戻らない」という普遍的な意味において、切なく、言葉にならない愛おしさが身体に溢れた。

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